技術情報

学術情報

基礎、総論、原理 etc.

エンドトキシン

エンドトキシン(Endotoxin)はグラム陰性菌の外膜に存在しており、リポ多糖を構成成分とする物質です。様々な分野で研究されており、エンドトキシン、内毒素、リポ多糖、LPS、パイロジェンなどと呼ばれています。

菌体が死んで溶菌するときや機械的に破壊されたとき、また菌が分裂するときなどに遊離されます。また加熱に対して安定であり通常の滅菌ではその活性は失われないので、乾熱滅菌等で不活性化する必要があります。

構造

エンドトキシンの構造は大きく分けて、外界に向けて大きく突き出たO抗原多糖、それに続いてコア多糖およびリピドAと呼ばれる脂質部分の3部分から構成されます。

このうちO抗原の糖鎖は細菌の種類によって構造変化が最も大きな部分で、これによって菌それぞれが特異的な免疫反応を引き起こします。
細菌の種類によって最も変化の少ないのがリピドA部で、エンドトキシンの示す生物活性中心です。

生物活性

エンドトキシンが体内に侵入すると、マクロファージなどが活性化され蛋白質、酸素ラジカル、脂質の3つのメディエーターを産出します。
これらのメディエーターはそれぞれが独立に、または共同して働き種々の効果をもたらします。
メディエーターのコントロールされている場合は適度な発熱、免疫系全体の活性化や殺菌作用など有益な作用がもたらされます。
しかしメディエーターが過剰に産出されてしまうと下に示すような有害な作用を引き起こします。

参考文献
  • Tanaka, S.,et al.:Carbohydr.Res., 218:167-174(1991)
  • Tanaka, S. and Iwanaga, S.:limulus test for detecting bacterial endotoxin. Method in Enzymology, 223:358-364(1993)
  • 織田敏次監修:エンドトキシン研究の新しい展開, 羊土社(1986)
  • 細菌毒素ハンドブック,p479-527, Science Forum(2002)