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リムルス試験とはアメリカ産カブトガニの学名Limulus polyphemusに由来します。
1964年にLevineとBangが“生きた化石”といわれるカブトガニの血液にエンドトキシンを加えると凝固(ゲル化)することを見出し、その血球抽出液(limulus amebocyte lysate, LAL)を用いて凝固の有無をみることにより検体中のエンドトキシンを検出する方法を創案したことに始まります。

リムルス試験の位置づけ

エンドトキシンはグラム陰性棹菌の細胞壁外膜表層の構成成分で、ごく微量で高い発熱性を示すほか、ショック、サイトカインの誘導など様々な生物活性を持っています。
そのため医薬品などへの混入は重大な副作用の原因になり得ます。

凝固メカニズム

カブトガニの血液中には細かい顆粒を多く含んでいるアメーバ細胞(amebocyte)が存在しており、エンドトキシンと反応して凝固がおこります。
またその後の研究により(1→3)-β-D-グルカンによっても凝固することが明らかにされています。

リムルス試験の種類

ゲル化法-ゲル形成がエンドトキシン濃度に依存することに基づいて、エンドトキシンを検出する定性的な方法です。
比濁法-ゲル化する際に生じる濁度変化を適当な光学計を用いて測定する定量的な方法です。
比色法(発色合成基質法)-凝固酵素=コアギュロゲンの水解部位のアミノ酸配列と類似の配列をもつ合成基質に、発色基p-ニトロアニリンを結合させた発色合成基質を用い、凝固酵素のアミダーゼ活性により遊離するp-ニトロアニリンの吸光度を測定する定量的な方法です。

エンドトキシン

エンドトキシン(Endotoxin)はグラム陰性菌の外膜に存在しており、リポ多糖を構成成分とする物質です。
様々な分野で研究されており、エンドトキシン、内毒素、リポ多糖、LPS、パイロジェンなどと呼ばれています。

β-グルカン

(1→3)-β-D-グルカンは酵母・キノコ・カビ等の真菌類や、藻類および高等植物の細胞壁構成成分として自然界に広く分布しています。
エンドトキシンとは異なり発熱のような急性の毒作用はありませんが、多彩な生体活性を持つほか、体内に入った(1→3)-β-D-グルカンがエンドトキシンの作用を増強するという報告もなされています。