技術情報
日本薬局方におけるエンドトキシン試験法
エンドトキシン試験法
エンドトキシン試験法の種類
ゲル化法
ゲル形成能がエンドトキシン濃度に比例することに基づいて、エンドトキシンを検出する定性的な方法です。ゲル化法は加温後、反応管を180°転倒し、肉眼で判定します。
比色法(光学的測定法)
エンドトキシンにより、ライセート試液中のC因子系が活性化され生じた凝固酵素によって発色合成基質から遊離される発色基の量を吸光度で測定する方法です。
比濁法(光学的測定法)
エンドトキシンの作用によるライセート試液のゲル化過程の濁度変化を測定する方法です。あらかじめ設定した濁度(しきい値)に達するのに要した時間との用量反応関係に基づき定量します。なお、濁度は吸光度または透過率として計測します。
ライセート試薬の選択
エンドトキシン試験を行う際には、以下の内容を考慮して、ライセート試薬を選択してください。
- 規制等はありますか?
- どんな種類の試料を試験しますか?
- どの程度の試験感度が必要ですか?
- データは電磁的記録が必要ですか?
- 試験の頻度や試料数はどのくらいですか?
反応機構の概略図
カブトガニ血球抽出液より調製されたライセート試薬(LAL試薬)を用いて、エンドトキシンを検出または定量できます。これはエンドトキシンがライセート中に含まれる因子を活性化し、それに続くカスケード反応が活性化されることに基づいています。

反応特異性
リムルス試薬の反応特異性比較
トキシカラー(R) | エンドスペシー(R) | グルカテル | |
---|---|---|---|
リポ多糖 | + | + | - |
リピドA | + | + | - |
合成リピドA | + | + | - |
(1→3)-β-D-グルカン | |||
パキマン | + | - | + |
カードラン | + | - | + |
レンチナン | + | - | + |
シゾフィラン | + | - | + |
真菌由来多糖 | |||
Candida albicans | + | - | + |
Microsporum canis | + | - | + |
Trichophyton mentagrophytes | + | - | + |
Trichohyton rubrum | + | - | + |
Aspergillus flavus | + | - | + |
Aspergillus fumigatus | + | - | + |
Cryptococcus neoformans | + | - | + |
Saccharomyces cerevisiae | + | - | + |
セルロース透析膜の洗浄液 | + | - | + |
リン脂質 | |||
ホスファチジン酸 | - | - | - |
ホスファチジルグリセロール | - | - | - |
ホスファチジルイノシトール | - | - | - |
ホスファチジルセリン | - | - | - |
ホスファチジルコリン | - | - | - |
ホスファチジルエタノールアミン | - | - | - |
グラム陽性菌由来多糖 | |||
Staphylococcus epidermides | - | - | - |
Staphylococcus aureus | - | - | - |
α-Streptococcus hemolyticus | - | - | - |
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